クレヨンの箱

自閉スペクトラム症国際シンポジウム

International symposium of autism spectrum disorder

Date

日時:2022年2月27日(日) 10:30-17:30

場所:早稲田大学 早稲田キャンパス 小野記念講堂(Zoomオンライン配信も行います)

   アクセス https://www.waseda.jp/culture/about/facilities/

参加申込はこちらから:https://www.waseda.jp/inst/wias/news/2021/12/21/8808/

Program

近年、自閉スペクトラム症の研究が進展し、将来的に医療を見据えた生物学的研究も展開されている。一方で、医学的な手法だけでは社会生活での課題の全ては解決できず、社会モデルやニューロダイバーシティーなどのテーマで自閉スペクトラム症の方がよりよく暮らせる社会の必要性が指摘されている。2020年に6ヶ国の研究チームよりなるU21 Autism Research Networkが構築され、文化社会的背景が大きく異なる自閉スペクトラム症の方を対象とした研究プロジェクトを開始した。早稲田大学はU21 Autism Research Networkの日本拠点を担っている。そこで、日英の自閉スペクトラム症研究・臨床に関する情報交換を行うため、国際シンポジウムを開催する。本シンポジウムでは、①医師から日本における発達障害臨床、②心理学・神経科学研究者からコミュニケーションに寄与する感覚や運動の違い、③社会学や国際比較研究から集団や社会からとらえる自閉スペクトラム症について紹介する。さらに、④当事者や支援者という立場でどのように科学的知見を利用できるか、今後に向けた研究に対する希望について議論する。

10:30-10:40 開会

10:40-11:20 教育講演1:日本における神経発達症の医療

11:20-12:50 パネルディスカッション1: 感覚運動と社会性の連続性

12:50-14:10 昼食

14:10-14:50 教育講演2: Action and social cognition in autism spectrum conditions

14:50-16:20 パネルディスカッション2: 自閉スペクトラム症と社会

16:20-16:35 休憩

16:35-17:20 パネルディスカッション3: 自閉スペクトラム症の理解とは?

17:20-17:30 閉会

Language

日英同時通訳あり 

教育講演1:日本における神経発達症の医療

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​小枝達也 (Tatsuya KOEDA)

1984年鳥取大学医学部医学科卒業。1993年オランダ政府奨学生としてフライ大学小児科へ留学。1996年鳥取大学医学部脳神経小児科助教授。1998年鳥取大学教育学部教授。2004年鳥取大学地域学部教授(改組に伴う名称変更)。2009年鳥取大学附属小学校校長併任(2012年度まで)。2014年鳥取大学地域学部附属子どもの発達・学習研究センター長併任。2015年国立研究開発法人国立成育医療研究センターこころの診療部長、鳥取大学名誉教授。2017年国立研究開発法人国立成育医療研究センター副院長(併任)。2018年国立成育医療研究センターこころの診療部統括部長(名称変更)。専門は小児神経学 発達障害医学。資格等:医学博士、小児科専門医、小児科指導医、小児神経専門医、子どもの心専門医

講演​要旨

 一般の医療とは少し離れた所の参加者が多い、という前提で以下を記す。

発達障害という用語の源流は、米国第35代John F Kennedy大統領によって1961年に設けられた「精神遅滞に関する大統領パネル」に遡る。それが1963年には、米国障害者公法(ADA)の中に発達障害という用語で登場する。包含する疾患としては、知的障害、脳性麻痺、てんかん、自閉症、注意欠陥多動性障害、学習障害などである。小児神経科医は長らくこの範疇の子どもたちの医療に携わってきた。

一方、日本では2005年から発達障害者支援法が施行され、含まれる疾患はICD-10の心理的発達の障害並びに行動及び情緒の障害となっている。チックや場面緘黙、夜尿などが発達障害に含まれる一方で、知的障害や脳性麻痺は含まれていない。

2018年にはWHOよりICD-11が発表され、新しく神経発達症というカテゴリが登場した。知的障害、会話と言語の発達の障害、自閉スペクトラム症、特異的学習障害、発達性協調運動障害、常同運動症が含まれることとなった。

さて、日本の神経発達症の臨床はどれを基準にして進めたらよいのか(統計も含めて)迷うことが多いのである。

パネルディスカッション1: 感覚運動と社会性の連続性

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​岡本 悠子 (Yuko OKAMOTO)

早稲田大学高等研究所 講師(任期付)

2008年順天堂大学スポーツ健康科学部卒業、総合研究大学院大学(自然科学研究機構生理学研究所)、鳥取大学研究員、福井大学助教、株式会社ATR-Promotionsを経て2020年より現職。 専門は、自閉スペクトラム症、認知神経科学、発達心理学など。

​司会・パネリスト

​パネリスト

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北田 亮 (Ryo KITADA)

2005年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。クィーンズ大学博士研究員、 日本学術振興会海外特別研究員、生理学研究所助教、南洋理工大学准教授を経て、 2021年から神戸大学大学院国際文化学研究科准教授

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栗原 勇人 (Yuto KURIHARA)

2019年、早稲田大学人間科学部人間情報科学科を卒業。2021年、早稲田大学大学院人間科学研究科健康・生命医科学研究領域修士課程修了し、現在、同大学大学院博士後期課程に在籍。専門は認知神経科学、社会神経科学、社会的インタラクションなど。

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和田 真 (Makoto WADA)

2001年、筑波大学医学専門学群卒業。2005年、筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。現在、国立障害者リハビリテーションセンター研究所 脳機能系障害研究部 発達障害研究室室長。順天堂大学医学部・保健医療学部客員准教授。

教育講演2:Action and social cognition in autism spectrum conditions

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Jennifer L. Cook

Jen completed her undergraduate degree in Psychology at the University of Bath in 2007. She then completed a Wellcome Trust-funded PhD in Neuroscience at University College London (2007-2011). This programme included a 3-year project, in Professor Sarah-Jayne Blakemore’s lab, investigating “Action observation and imitation in typical individuals and adults with Autism Spectrum Conditions”. Following this Jennifer  joined Professor Barbara Sahakian’s group at the Department of Psychiatry, University of Cambridge (2011-2012). In Cambridge she researched novel methods of cognitive training and was also a Research Fellow of Magdalene College. Subsequently Jen moved to the Donder’s Institute in The Netherlands where she began to study social learning with Professor Roshan Cools. In 2014 Jennifer took up a lectureship at City University London where she continued to study social learning and began to extend these studies into the field of autism research. Jen has been a Birmingham Fellow at the University of Birmingham since September 2015 and is also Associate Editor of Psychology and Cognitive Neuroscience for Royal Society Open Science (https://royalsocietypublishing.org/journal/rsos)

パネルディスカッション2: 自閉スペクトラム症と社会

近年、障害の社会モデルという言葉が徐々に広まりつつあり、学術的にも障害に対するスティグマなどの研究もはじまっている。一方で、自閉スペクトラム症の主眼となっているコミュニケーションを人の集団という視点で社会的にとらえることは難しく、定型発達と自閉スペクトラム症の方の関係性に対する責任の所在が議論の中心になることが多いと考えられる。本パネルでは、Sophie Sowden氏に自閉スペクトラム症の国際比較研究への挑戦、竹中均氏に家族という集団の中での神経発達症に関する社会学的な考察、大島郁葉氏にASD者の社会的カモフラージュとメンタルヘルスの関係性の国際比較、管思清氏に自閉スペクトラム症の特性を持つ方の生活の質について講演をいただく。実験心理学、社会学、臨床心理学と異なる立場の方々に討論いただきながら、人の集団としての形態・機能や価値観や信念などを含む文化など、少し広い視点で自閉スペクトラム症と社会を考察する。

​司会

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​髙橋 徹(Toru TAKAHASHI)

2015年、東京大学教育学部卒業後、2021年、早稲田大学大学院人間科学研究科修了(博士(人間科学))。現在、早稲田大学人間科学学術院助教。専門は、認知神経科学、臨床心理学、うつ・不安に対するマインドフルネスなど。

​パネリスト

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大島 郁葉(Fumiyo OSHIMA)

臨床心理士、公認心理師、医学博士。現在、千葉大学子どものこころの発達教育研究センター講師。思春期以降の自閉スペクトラム症の人に対しての心理的支援を専門としている。現在は、児童思春期の自閉スペクトラム症の人に対する親子参加型の認知行動療法を用いた自己理解プログラムや、成人期の自閉スペクトラム症の人の感情のコントロールを目的としたスキーマ療法の臨床研究を行っている。
主な著書:「事例でわかる思春期・おとなの自閉スペクトラム症ー当事者・家族の自己理解ガイド」金剛出版.

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管 思清 (Siqing GUAN)

2020年早稲田大学人間科学研究科臨床心理学領域修士課程卒業後、同大学の博士課程に在籍しながら、日本学術振興会特別研究員、千葉大学子どものこころ心理発達教育研究センターの特任研究員、帝京大学ちば総合医療センター精神神経科の臨床心理士・公認心理師を務める。専門はASDと抑うつ・不安の併存症、臨床心理学、認知神経科学など。

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竹中 均 (Hitoshi TAKENAKA)

早稲田大学文学部(社会学コース)卒、大阪大学人間科学研究科(社会学専攻)単位取得退学、博士(人間科学)
神戸市外国語大学外国語学部(日本文化論担当)教授を経て、現在、早稲田大学文学部(社会学コース)教授

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Sophie Sowden

Dr Sophie Sowden is a Lecturer in Psychology at the University of Birmingham interested in social and motor behaviour across the life span and with respect to conditions such as autism and Parkinson's disease. She is the lead investigator of the U21 Autism Research Network (https://www.u21autismresearchnetwork.co.uk/), a network of autism researchers from around the globe aiming to increase diversity and inclusion in autism research.

パネルディスカッション3: 自閉スペクトラム症の理解とは?

「自閉スペクトラム症を理解する」という言葉は支援や啓発の場で良く用いられるとともに、自閉スペクトラム症をテーマとしたさまざまな学問分野も理解をひとつの目的としている。しかし、理解と言って思い浮かべるものは分野・職種によって大きく異なりる。それぞれの立場で考える「自閉スペクトラム症の理解」について紹介するとともに、科学的知見をどのように支援や生活につなげることができるか議論する。

​司会

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大須理英子 (Rieko OSU)

1996年京都大学大学院文学研究科(心理学専攻)にて博士(文学)取得。ERATO川人学習動態脳プロジェクト研究員、ATR 脳情報研究所主任研究員、同運動制御・機能回復研究室室長を経て2015年よりニールセン・カンパニー合同会社ニューロサイエンスディレクター、2017年より早稲田大学人間科学学術院教授。認知神経科学、システム神経科学を専門とし、生体の運動制御や学習、ニューロリハビリテーションなどに取り組んでいる。

​パネリスト

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村中直人 (Naoto MURANAKA)

一般社団法人子ども・青少年育成支援協会 共同代表

2009年に一般社団法人 子ども・青少年育成支援協会の設立に参画し発達障害など特別なニーズのある 子どもたちや保護者への支援活動を多数実施。現在は発達障害サポーター’sスクールの運営を通じ、 全国に正しい知識を持った理解のある支援者を増やすべく取り組んでいる。

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高田直樹 (Naoki TAKADA)

早稲田大学人間科学部2016年入学 福祉や教育、脳の発達を学際的に学ぶ。並行してアルバイトでライター業を行い、大学卒業後も続け現在に至る。

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Bianca Schuster

Bianca Schuster just completed her PhD at the University of Birmingham, UK, where she helped develop the U21 Autism Research Network. In 2022, Bianca will start a fellowship under the supervision of Dr. Okamoto and Prof. Osu, comparing the bi-directional mental state attribution of Japanese and English autistic and non-autistic adults.

岡本悠子(早稲田大学高等研究所・講師)
橋徹(早稲田大学人間科学学術院・助教)
大須理英子(早稲田大学人間科学学術院・教授)

早稲田大学 高等研究所

 
会議室

スーパーグローバル大学創成支援「Waseda Ocean構想」

早稲田大学 人間総合研究センター